数学物語 1
一、二、三・・・と数える、いわゆる漢字で書き表す数の呼び名を「漢語数詞」といいます。日本の数詞は,4桁切り方式で、世界のどの国の数詞よりスケールが大きく,規則的にも整備されています。例えば英語は1から20まで別々の単語ですし、しかしこれはまだいいほうでインドでは1から100までがバラバラに表現されるものもあるらしいのです。それを考えると日本数詞はすばらしいと思いませんか。
さて、みなさんはどの程度まで数えられますか。十、百、千、万、億、兆ぐらいまではご存知かと思いますが、実はその先にもたくさんの位があるのです。
一、十、百、千、万、億、兆、京(けい)、垓(がい)、秭(し)、壌(じょう)、溝(こう)、澗(かん)、正(せい)、載(さい)、極(ごく)、恒河沙(ごうがしゃ)、阿僧祇(あそうぎ)、那由他(なゆた)、不可思議(ふかしぎ)、無量大数(むりょうたいすう)
これは,江戸時代初期の寛永年間に、吉田光由(よしだみつよし)という数学者によってほぼ完成され、『塵劫記(じんこうき)』として世に出版された数学書の中に記されているものです。