社団法人「日本音楽著作権協会」(JASRAC)を立ち入り検査したことが最近紙面を賑わせている。

そもそも、このニュースはどういったことなのか?
JASRACって何者なのか?
そして、著作権って何?
私なりに解釈したのでここでおさらいしようと思う。

今回、なぜ立ち入り検査かというと、『独占禁止法違反』の疑いからだ。

1939年設立以来、実に60年にもわたって著作権の管理委託契約を受けているJASRAC。
それが、2001年10月の「著作権管理事業法」施行で、『新規参入が可能』になったのにも関わらず、JASRACは著作権数で圧倒的、実に99%のシェアを占めるというから驚きである。

え?誰も新規参入しなかったの?
と思われるかもしれないが、そこがJASRACマジック
契約の仕方が『せこい』ため、他がなかなか入れなかったという現状がある。

どの程度『せこい』かというと・・・

例えば、スナックなどの飲食店を例に挙げてみよう。
JASRAC 管理曲を演奏する場合、なんと驚くなかれ、楽曲を何回演奏したか、という演奏の回数に関係なく契約を結んでいたのである!
では、何を基準に契約しているか。
それは店舗の客席数や床面積に応じて演奏使用料が決定される『包括的利用許諾契約』を結ぶことになっている。

どうです、『せこい』契約でしょう?

そのため、JASRAC 管理曲を少ししか利用しない飲食店にとっては負担が重すぎるのである。
そして、他事業者の新規参入もしにくい。
だって、包括して契約されてしまっては、その飲食店がJASRAC以外の(つまり新規参入事業者の)音楽を使用すれば、さらに費用がかかることになるからだ。
60年もの間続いたのなら、管理曲数だって一番のはずである。
結果、飲食店としては「それならJASRACでいいか・・・」ということになってしまうのである。

これが、今回問題の独禁法違反。
せっかく01年以降新規参入が認められても、利用者に何の利点も無いようでは、新規参入の意味がない。
競争が阻害される恐れがあると公正取引委員会は今回の立ち入りに踏み切ったのである。

さて、前出の飲食店の場合、もっと不思議なことが起こっているのをご存知だろうか?
なんと、演奏された曲目の明細書(報告書)を提出しなくても良いこととなっているのである。
えー!!
ってことは、誰に分配金を支払うか分からないのに、徴収するってことなのか?
おかしい話とは思わないか?

今回公取が立ち入りをしたのは、対放送事業等に関しての検査のようだが、この団体、不明な点ばかりで、今後が目が離せない。

ちなみに、これからのことを話そう。
ネット上のインタラクティブ配信では、著作権管理事業者が音楽配信会社から配信実績の全データを入手し、著作権使用料を詳細に計算することが可能になっている。
これまで、「全ての使用を把握するのは放送局側に負担増える」として包括的契約の正当性を主張してきたJASRACも、ネット配信のデータ化に伴い言い訳にしか聞こえない苦しい状況であることは間違いない。

最後に面白いネタをひとつ。
JASRACは「どこか、金を徴収できるところはねーか?」と探す団体でもあるようだ。
というのも、iPod などのデジタルオーディオプレーヤーを新たに対象機器とするように文化庁に要請していた経緯もある。
しかし、プレーヤーを所有しているユーザーのほとんどは、CD の購入やネット配信サービスからのダウンロードなどの方法で、正規に入手した音楽データをプレーヤーに複製(いわゆるメディアシフト)しているに過ぎないため、「権利者の損失は無いのではないか」、「著作権料の二重取りである」といった疑問、批判が国会議員や消費者を中心に噴出したという。

60年も続いた古い慣習なんてくそくらえだ。
著作権は作った人のものであり、JASRACのものではない!
今回の事件は、仲介業としての基本姿勢を失った結果ではないだろうか。

文部科学省(文部省)からの役員の天下りが50年以上続いているとの噂もあるくらいだから、まあ仕方ない、いつもの結末か?

ウィキペディア:JASRAC参照