デザインに携わる者としての考察 ~平城遷都キャラ~

takashi/ 3月 30, 2008/ お仕事


最近話題のキャラ問題といえば、そう、『平城遷都1300年祭のマスコットキャラクター』問題である。

「可愛くない」との批判が高まっただけでなく、
選定過程の非公開性や費用が高すぎなかったかという点にまで広がっているようだ。

平城遷都1300年祭のHPでは今回の騒動に対する協会の考え方をPDF7枚に渡って言及している。

そんな中驚く実態が明らかになった。
単純にキャラクター費用の面だけだが、他の例と比べてみよう。

・浜名湖花博350万円程度
・のじぎく兵庫国体50万円程度(一般公募の賞金)
・愛・地球博600万円程度
・国宝・彦根城築城400年祭100万円程度

さてそんな中あのキャラクターは500万円
ちなみに、ひこにゃんはシンボルマークとロゴタイプの3点セットであの人気ぶりだから、かなりお買い得だったといえよう。
やっぱり可愛い気がするものねぇ・・・。

さてさて、今回の制作者は誰かご存知だろうか。
籔内佐斗司氏である。

彼のHPで今回の騒動に対して、制作者が意見するのも・・・とことわったうえで、生みの親としての気持ちが何度か触れられている。
長い手紙の中から一部抜粋してみた。

『この世の森羅万象すべてにほとけを観て、すべての存在と現象をほとけの一部とする「山川草木悉皆成仏」「一切衆生悉有仏性」というおおらかで融和的なわが国の信仰のありようを平城遷都1300年の象徴として具体化しようと思った』

このことから分かるように藪内氏の作品を見ても仏の世界と深いつながりのあるものが多い。
そういった意味で、今回選ばれた理由もわかる。

しかし、キャラクターにしても、ロゴにしても、
何かをデザインして生み出すときには、
その土壌となる方々や訴求するターゲットの
『リサーチ』というものが必要
だろう。
自分の個展をやるのとは話が違う。
角をはやし動物的要素も盛り込み、仏を侮辱していると一般の人に思われても仕方がない。
いくら森羅万象に仏を観るとは言え、もう少し可愛い具合にはできなかったのだろうか。

あとは、この話題性で祭りを成功させるしかないように思うが・・・。
およおよ??
それって、蘇民祭ポスターと似てない??
もしかしたら、計算のうちか?

籔内佐斗司  略歴
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現在 国立東京芸術大学 教授 文化財保存学専攻 保存修復・彫刻研究室
2004現職に就任
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1953大阪市生まれ
1978東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
1980同学大学院美術研究科修了(彫刻専攻、澄川喜一研究室)
1982同学大学院美術研究科保存修復技術研究室非常勤講師(~1987)
1987台東区稲荷町に仕事場を構え、彫刻家として活動をして現在に至る。
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意見には今、このご時世に公がたたかれるニュースが多い。
「籔内佐斗司氏は一応募者で選んだのは協会だ!」
籔内佐斗司氏をかばう意見も有る。
この際、協会のことは置いといて(他の人に任せます。)
日本芸術大学の最高峰の『東京芸術大学』の教授である籔内佐斗司氏のデザインしたモノがデッサンが狂っているのに問題が有る。
修復の最高機関である東京芸術大学教授の立場にいるのに仏教知識が皆無に近い事に問題がある。

親睦(しんぼく)団体「南都二六会(なんとにろくかい)」会長 橋本純信(十輪院住職)は
「眉間(みけん)の白毫(びゃくごう)(白い巻き毛)や長い耳は仏様の特徴そのもの。仏様をちゃかしているようで、違和感、嫌悪感がある。これが印刷されたポスターや案内物は境内には置けない。県外の仏教団体にも私たちの主張を広めていきたい」と言っている。

鹿の角をイメージしているが、元来角は力の象徴で下等動物の争いのイメージでもある。

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●協会これまでに何故、代理店とキャラクター制作の東京芸術大学文化財保存学専攻教授である籔内佐斗司氏の名前を公表しなかったのか?
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●籔内佐斗司氏のHPでの手紙、意見などを発表したが、代理店、東京芸術大学側の発表が何故されないのか?
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●東京芸術大学教員プロフで「台東区稲荷町に仕事場を構え」が必要だったのか?
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東京芸術大学美術学部校内の岡倉天心像が泣いている。