それでは、いよいよ『進法』の話に移りましょう。
身近で使われているものをざっとあげてもこのぐらいはあります。
『10進法』 『5進法』 『12進法』 『60進法』 『2進法』

*『10進法』
冒頭でも述べたように、両手の指がきっかけとなって数を数えていったおおもとです。個数、人数、お金などを数えるだけでなく、演算、長さや重さなどの単位の位取りにおいても使われ、もっとも身近で分かりやすいものです。

*『5進法』
10進法が両手なら、5進法は片手です。でもそれだけではありません。我々日本人には昔から数えるときに「正」の字を書いて、5つごとにひとかたまりにしていた歴史がありますね。これを少し数学的に考えてみましょう。10進法の場合はひとつの位の枠に0~9までの10個の数字を入れることができますが、5進法といった場合は、ひとつの枠に0~4までの5個の数字しか入れられません。例えば10進法と比較すると次のようになります。「正」の字を思い浮かべると分かりやすい気がしませんか?
10進法     5進法
1   =  1
2   =  2
3   =  3
4   =  4
5   =  10(ジュウではなく“イチゼロ”と読みます)
6   =  11(イチイチ)
7   =  12(イチニ)
8   =  13(イチサン)
9   =  14(イチヨン)
10    =   20(ニゼロ)

*『12進法』
思い浮かびますか?あなたの周りで“12かたまり”できると位が上がるもの。ズバリ、12ヶ月で1年。年月です。これは、月の満ち欠けが約30日の周期で、ほぼ12回満ち欠けすると1年になるということに由来すると考えられています。 つまり、30日が12回で360日、これが約1年というように考えられていたようです。そして、それは角度にも影響してきます。天空における太陽の位置がほぼ360日で1周することから、1周の角度が360度と定められ、天空が1日にほぼ1周することから、1日が24時間(古代には12時間)と定められました。今でも、アナログの時計では12時間分の目盛りが主流ですものね。

*『60進法』
“60かたまり”できると、位がひとつ上がるもの。そう、時間です。60秒で1分、60分で1時間というように。前出の12進法とも深い関わりがありますが、30、12、10(両手)、5(片手)の公倍数および公約数として便利な60が、時間の計算に用いられるようになったというわけです。

*『2進法』
0と1の2種類だけで数を表す方法で、10進法との比較は5進法のときと同じようにやっていけばよいです(簡単な計算方法があるのですが、今回は省略させていただきます)。
10進法   2進法
1  =     1
2  =    10
3  =    11
4  =   100
5  =   101
6  =   110
7  =   111
8  =   1000
9  =   1001
10  =   1010(イチゼロイチゼロと読む)

なぜ、2進法を取り上げたかといえば、これは現代の私たちの生活と、切っても切り離せないものだからです。「コンピュータのデータは、0と1でできている」といわれています。つまり「コンピュータ=2進法」だからです。なぜ、コンピュータが2進法を使っているかというと、ふたつの状態(yesかno)を表すのが簡単だからです。原始的なところで言うと、指を立てている折っている。現在の生活で言うと、電球が点いている消えている、電気が流れている流れていない、電圧が高い低い、磁石ののSとN、といった具合にいろいろな方法で1と0の状態(つまりyesかnoの状態)を表すことができるからなのです。たとえば電球を4つ並べて、点消消点=1001とすれば、10進法の9を表すことができるというわけです。とても納得できると思いませんか。
しかし、同じ数値を表す場合でも例えば10進法では3桁ですんだものが、2進法だと非常に多い桁数になるという問題が生じてきます。このため、2進法での3桁をまとめて8進法、4桁を16進法として表すことがあるそうです。コンピュータの世界では、2進法の1桁を1ビットと呼んで、実際には、8個(桁)、16個、32個といった具合に都合のいい長さにまとめて使っているそうです。そして、8ビット(8桁)で1バイトという単位にしているのだそうです。

最後に、私が漠然と感じていることですが、もしも、人間の指が全部で11本だったら、歴史は恐ろしく大きく変わっていたことでしょうね…。